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此処数年間かで自転車(MTB)を3台ほど買っている。
買ったあと、始めは一生懸命乗るのだが、そのうちに段々面倒臭くなる。管理が疎かになる。 気付いたときには、フレームは錆だらけ、タイヤの空気は完全に抜けている。暫くすると、新しいのが欲しくなる。新しいのをホントに買っちゃう。...と、この繰り返しである。 と言うことで、そろそろ新しい自転車が欲しくなって来た頃だ。前の自転車もちゃんと錆びてくれているし、機は熟したか...。(アホらし!) 今度は、MTBではなく、少し大きめのタイヤで疾走できるロードモデル系のが良いかなあ! 風を切って街を走り抜ける爽快感は、世の閉塞感に風穴を開けるが如き開放感に通ずることだろう。新しい自転車があれば、少しは自分の閉塞感も突き破れるかしらん?! 「自転車」、そして、「世界旅行」、いづれも大変興味あるキーワードである。 これを一辺に結びつけ、実現しちゃった凄い人の話を聴いた。 講演の主は、ミキハウスの人事部に勤務され、早稲田大学の客員講師も勤める坂本達さん。 まだ30代後半のバリバリの若手である。 個人的には、世界一周の旅をどのように実践したのか、自転車の旅はどれだけ大変なものなのか、というようなことに興味を持っていたのだが、アフリカはギニアの民族衣装姿で現れたヒゲぼうぼうの坂本氏、講演のフォーカスはあまりその辺は向けられていなかった。 彼が旅したコースは、先ずアフリカ、そしてアジアはベトナム、ヒマラヤ、中国はカシュガル、そしてシルクロードを経由しトルコ・イスタンブールへ。米大陸も、北米ではなく、南米、最南端のアルゼンチン・ウシュアイアからチリ・サンチアゴ、そしてエクアドルのキトを終着点とする合計4年間・43カ国の旅だったという。 いづれも、先進国というよりは、貧しい国々が殆んどの世界一周であった。 交通インフラも整備されていない土地、そして、気候も極寒の地から灼熱の地まで厳しい環境を多く経験したらしい。しかし、そんなことは、彼にとっては些少なこと。 貧しい国で出会った人々との触れ合い、むしろ死とも隣り合わせの貧しい人達のほうが相手を気遣い、自己犠牲で相手を思いやることに大変心を動かされたという。彼自身もやがて「感謝の気持ち」(これが彼の最大のキーワード!)を持ち、言葉や宗教、食生活等の生活習慣の違いを越え、自ら心を開いて積極的にコミュニケーションに努めたという。そして、その感謝の気持ちを具現したがゆえに、危険・困難な局面に出会った時にでも、他人から救われ自分を救うことに繋がったことが多かったという話は、なかなか感動的であった。 物資に溢れ、幸せボケしている日本の凡人(私デス)の欲求にキリはないが、最低限以下の生活も覚束かぬ貧しき民族がむしろ精神的には「足る」ことを知り、遥かに豊かな人間性を有している、ということには、生の原点をもっと真摯に見つめ直せ、という強いメッセージが含まれていたようだ。 子供の聴取者も多かったこともあり、オシッコ・ウンチなどのユーモアを交えながらの巧みな講演であった。そう言えば、質疑応答の時間、大人の質問より、小学生の率直な質問のほうが面白かったなぁ。 数々の修羅場を越えて力強くペダルを漕ぐ坂本氏、<底抜けの性善説、人間賛歌>が彼の世界一周の成功の元であったことを知った感動の2時間であった。 綺麗な風景を見て、美味しいものを食べる旅とは対極にある自転車世界一周旅行、トライする勇気、やり遂げた体力・気力・知力、素晴らしかった。(ちなみに、坂本氏、自転車日本一周もやっている。) 語り尽くせぬので、坂本氏のウエブサイトをご紹介。こちら。 いやー、随分あちこちの講演会に出て居られるものだ!
by ptaro2009q
| 2007-05-13 23:28
| Trip
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