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日帰りの旅で時刻も夕刻近くとなり、迷った末に、草津温泉に来た。
先に訪れた川原湯温泉から電車でひと駅、更にそこからバスで30分揺られて到着。 裏日本・中部を襲った長雨は峠を越えた、というものの、訪れた日、この温泉地にも小雨が降り注いでいた。 草津温泉の表通り、というべき「湯畑」には相変わらず多くの観光客が徘徊し、賑やかな人気温泉地たることを示している。湯畑の周囲には、当然のように温泉旅館や多くの土産屋がひしめき合っている。 日本の場合、温泉地にはこうした景観がお決まりである。 温泉が吹くと、必ず温泉を引いて旅館・ホテル、そして、お土産屋、飲み食いどころと歓楽街、とハンで押したように同じ景色が並ぶ。 此処はもしやして、規模では劣るものの、アメリカのイエローストーン国立公園の一角と見間違う景観があるのではないか、とふとその光景を浮かべて見た。湯畑から降り注ぐ硫黄分の濃い緑の池や、西の河原公園の聊か殺風景な土と地表をそのまま流れる湯の様子なども、イエローストーンのガイザー地区と実に共通点が多い。(イエローストーンでは、源泉があるのに、何故温泉を作らないのだ、と思ったのだが。) (左、草津温泉、右、イエローストーン) アメリカの国立公園の場合には、自然保護が最優先され、商業主義も排除されている。 園内には一般の人家はなく、民間の商業活動も許されぬ徹底振りである。 宿泊施設は公的なものが一定地区にあるだけで、ハイキング、釣り、乗馬などのレクリエーション地区も一定の規律のもとに配されている。 自然が主で、人間は従、の構造が明快である。勝手に自然を壊さぬよう、人間は自然に畏敬の念を払い、ありのままを尊重する。 このような国立公園が全米で30以上ある。最大のイエローストーンは四国の半分以上の大きさがある。トンでもない規模だ。 国土の大きさの違い、そして文化の違い、と言ってしまえばそれまでで、日本人の温泉文化、自然との共生の精神、も捨て難いのであるが、この自然に対するアプローチの違い、思えば聊か複雑な気持ちにもさせられる。 美しい国土のニッポン、こういう自然だけの国立公園が幾つかあっても良いのではないか...道を歩いていて土産屋からただでもらった温泉饅頭を美味しく頬張りながら、そんなことをボンヤリ考えていた。
by ptaro2009q
| 2006-08-12 10:50
| Excursion
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