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シアトルと言えばコーヒー、コーヒーと言えばシアトル、と言うほど、今や世界のどの街角にもスターバックスのコーヒーショップが席巻している。
初めてシアトルを訪れた1996年頃というのは、まだ東京を含め、殆んどスタバの姿も見せていない頃だったから、街角の至るところにコーヒー店が溢れているシアトルの街には驚かされ、また一種新鮮な気分を得たことを良く覚えている。 また、街を走っているバスにもコーヒー店の広告が大きく塗られたものが多く、ホントに街中コーヒーなのだなあ、と感心したものだった。 此処2、3年はご無沙汰しているが、当時のシアトルのコーヒー店の勢力図としては、スターバックス、タリーズ、そして、シアトルズ・ベストの3大チェーンが店舗数でほぼ拮抗していたようだった。同じブロックに3社の店舗がひしめき合う激戦地、いや、同じ社の店が道路を隔てて対峙するような乱立ぶりも良く見られる光景なのである。(写真は、スターバックス1号店) ひと昔、いや、ふた昔前の芸能界なら、花の中三トリオ、とか、キャンディーズについて、「俺は百恵派だ!」とか、「僕は、断然、スーちゃん派」なんてのがあったが(若い方には分からぬ会話か?)、シアトルの人々の中では、コーヒー店の好みで「スタバ派」とか、「タリーズ派」だとか、こだわり持っているひとは相当居るのではないかと想像する。 別のエントリーでも触れてみようと考えているが、3社の中で個人的に最も好きなのはタリーズである。 店舗は概ね角地の比較的広い敷地に立地しており、インテリアの趣味も悪くない。グランドピアノが中央に置かれている店だとか、また、暖炉のある店も多くて、とても心落ち着く。 店の数も多いことから、日本のように客数が多くてがさがさした感じの店は少ない。単にコーヒーを飲む店、というよりは、自分の時間をゆっくり持てる自宅以外のお気に入りスペース、という意味があり、当時、シアトルの市民がとても羨ましい気分であった。 ゆっくり落ち着ける店、お気に入りの店を幾つかキープしておくと生活も豊かになる。 シアトルズ・ベストは大手3社の中では30年以上前、1968年に設立された最古の会社であり、10年前位前ではシアトルではその赤い看板で一番目立ったコーヒー店だったのではないか。歴史ある分だけ、当然好立地の店舗を多く有していたようだ。しかし、その後数年に及ぶスタバの凄まじい米国内、また国際展開のスピードに比べると、シアトルズ・ベストの動きは極めて地味だった印象は否めない。 先ほど同社の英文サイトを見たが、2003年4月にスタバ社に既に買収された、というプレス・リリースがあり、驚いた。味は良くとも、経営者の手腕によって、こうも企業の消長が短期の間に一気に明暗分かれてしまったのか、と驚きを禁じえない。Nasdaqを初めとして世界の資本市場に上場し、資本調達力をもとに積極的に店舗展開したスターバックス社の増殖振りは皆さんご存知のところであろう。 それにしても、シアトルのコーヒー店がまたたく間に世界に浸透し、世界中がシアトル化したかのようである(笑)。10年前のシアトルの街を思い出すにつけ、実に感慨深い。
by ptaro2009q
| 2005-10-29 23:58
| Seattle
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