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週末の某TV番組で、東京で見られなくなった風景、と題して、靴みがきのおじさん、が挙げられていた。
そう言えば、嘗ては駅の廻りには普通に居た靴みがき、確かに殆ど見かけなくなったなあ。 そのTV番組では、御徒町駅近くで見たことがある、という街行く人の証言をもとに、その靴みがきのおじさんを探し当て、取り上げていた。 上野辺りを歩いていたときに、そのことをふと思い出し、御徒町駅へ足を延ばしてみたところ、見事にそのおじさんを発見! 何か、絶滅危惧種のヤンバルクイナでも見たような妙なお得感、というか、稀少体験を得た喜びを感じる。 大昔、それは例えば東北地方からの集団就職(もう死語ですな!)があった時代などは、上京した若者がすぐの仕事がなくて、皆がぞろぞろと上野駅前に並んで靴みがきをやっていた、なんて話も聴いたことがある。ローテクで誰にでも出来る、ってことですな。 今は人々、足元のお洒落・身だしなみにそう気を使わぬ時代となったのか。 いや昨今では、各駅なかに、ミスター・ミニッツなどハイテクなメカニックを擁した便利な靴修理チェーンが人気のようだ。 駅前の靴みがきおじさんには、昔の人情の機微と職人気質の空気をほのかに期待するお客がつくのであろうか、絶滅せずいつまでも残って欲しい気がする。 写真でお分かりのように、若めの女性客が靴を磨いてもらっている。 目的は靴みがき、というよりは、このおじさんそのもののようで、高級一眼レフ機でばちばちとおじさんの仕事ぶりをカメラに収めている。盛んにあれこれ質問をしているようだった。 おじさんは終始冷静、ひたすら靴みがきのに没頭。 お姉さん、ジャーナリストなのかしらん、珍しいものを取り上げる、というようなガツガツな態度はイケナイよ。 こういうときは、静かにおじさんの技を見つめながら、過ぎ去った時を思いレトロ感に浸るに限るのだ。
by ptaro2009q
| 2013-03-16 07:12
| Tokyo Walking
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