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通勤時に、ほぼ毎朝歩いている九段下から千鳥が淵のお散歩コース。
超繁忙期を終えて、自宅に帰れるようになったので、昨日金曜日の朝は久しぶりにこの千鳥が淵を歩いた。 九段坂がある靖国通りは、神田から市ヶ谷に抜ける大通りで交通量も圧倒的に多く、地下鉄駅から靖国神社や武道館、その他九段周辺の会社や学校に向かう人々で賑やかな地である。 さて、その靖国通りから千鳥が淵の沿道、一番町方面に通り抜ける道は一歩踏み入れると別世界。緑あくまでも深く、石の舗道もいつも綺麗に掃除された、音のない閑静の地である。 喧騒から閑静へ、動から静へ突然景色が変わる贅沢な瞬間を味わせてくれる大都会・東京のフトコロはなかなか深いものだと、いつも感心させられる。 桜が散った後、日を追うごとに濃くなる緑、東京都千代田区とは信じられぬ森林浴が可能となる。 これもまた贅沢というものであろう。 年の頃なら60歳代前半から中半くらいの、オジサンというよりは、オジイサン。夏は仕立ての良い甚平姿、冬はこれもぱりっとしたコートを召しておる。髪も短く整えられて、身なりはとてもきちんとされている。いや、粋、と言っても良いくらいだ。 しかし、1年を通して毎日同じ時間に同じ場所で見かける方なので、その時間に散歩に訪れるご近所のご隠居サンなのかと思っていたが、日々彼の姿を認識するようになり、また彼の周辺に置かれているワゴンとそれを覆うブルーシートをみると、これらはご隠居サン用のものではなく、紛れもなくホームレスさんの象徴的携行品に見える。 雨の日には(通常雨の日は、ここを歩かず最寄駅の四谷まで地下鉄に乗るのだが)、いつも座っておられるベンチに三角形の形状のテントの如き形にブルーシートを畳み上げ、寝食の場にしているようだ。この様子に、ホームレスオジサンであることを確信した。 それにしても、身なり風貌といい、朝から殆んど毎日缶ビールを静かに飲みながら週刊誌や新聞を読んでいる様子といい、ホームレスとは思えぬ余裕である。更にはこのオジサン、3,4匹の丸々と太った猫と同居している。なかなか栄養状態の良い猫だが、良く見るとオジサンの座席近くには、缶詰のキャットフードが幾つか積み上げられている。うーん、やはりこのオジサン、ホームレスではないのか、ホームレスごっこをしているだけなのか。それともこのオジサンの知り合いか、ファンが居て、キャットフードの差し入れでもしているのだろうか。一度抱いた確信が揺らいでくるのである。やはり、近所のご隠居さんが趣味で毎日来ているだけなのか? このオジサン、竹ぼうきやちりとりも携行している。いつも周辺の舗道は落ち葉もなく、心地よい環境が維持されているが、このオジサンの善意のお掃除ゆえなのであろうか。 もはや、千鳥が淵のこの沿道の主(ぬし)のような方である。 桜の季節、多くの人々が東京だけではなく地方からやってきてこの千鳥が淵もごった返しの賑やかさになる。その大賑わいに季節には、このオジサンの姿はずっと見えなかった。 桜見物の客があまりに多いから避難しているようにも考えられるが、千鳥が淵の四季を常に見守るこの地の主としては、居座ってここの桜を大衆に自慢したいような心持ちもあったのではないか。 <オレが一年間見守っている桜、オレの桜を見せてやるよ...>なんて思いながら。 いやもしかしたら、管轄している千代田区から強制的に立ち退きを要求されたのかもしれない。 しかし、何だかこの千鳥が淵の最も華やかな季節は、<身を引き皆に喜びを譲ってやるよ、皆が千鳥が淵の桜を見て喜んでおればそれでいいじゃないか、オレは桜はもう見飽きているからな>、というような何とも粋な行動に出られたのではないか、と思いたかった。 どこまでも粋なオジサンだったら、そう考えて余裕で身を引いたと考えたとしても不思議ではない。 桜が散り、葉桜が緑をつけ始め、この沿道には殆んど人も集まらなくなった4月の中盤頃にこのオジサンが戻って来たのを見つけたときには何だかホッとしたのを覚えている。 当然のことながら全く会話をしたこと、いや会釈をしたこともない相手なのだが、毎日顔を見ていると他人とは思えなくなってくるものだったから。 今でもこのオジサンはいつものベンチに座って静かに緑の木々と猫の姿を見守っている。
by ptaro2009q
| 2007-06-24 09:52
| Tokyo Walking
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