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本日・日曜日も出勤した。
実は少し早めに家を出て、会社に行く前にあちこちお目当ての場所を歩き撮影し、仕事のストレスを解消しようと思っていたのだが、自宅を出て最寄り駅に着いた途端、バケツをひっくり返したようなどしゃ降りの大雨。 都内に入っても大雨は止まず、散歩は諦め、止む無く仕事場に直行となった。 やはり、仕事に専念せよ、という天の声か(虐!) 仕事を切り上げたのは、午後5時過ぎ。 周辺では、また多くの人が残って仕事をしておったが、こちらも繁忙期の先は長い。 休める時には、体力温存。気分転換も必要だ。 さて、雨があがったこともあり、四ツ谷の職場から市ヶ谷駅経由で、今日のお目当てのスポットを眼にしようと向かう。 外堀通りを飯田橋方面へ向かう。 此のあたりは牛込台地、と呼ばれて、神田川(外濠)の南の高台で、何本もの急坂が高台へ延びている。高台に比較的広い敷地が得られるため、早くから武家屋敷が出来ている。 さて、目的地は、「袖摺(そですり)坂」。 神楽坂に近い、新宿区の箪笥(たんす)町、という何だか雰囲気のある名の町にある。 「袖摺り合うも他生の縁」という言葉があるが、極めて幅の狭い坂ゆえ、着物の袖も摺り合う、ということなのだろう。 石垣の中に突然切り込まれた坂で、よく注意しないと分からないくらいだ。 雑誌の写真等で何度か見ていたのだが、実際には想像よりも小さな、というか短い坂で、やや拍子抜けした。 <世界三大ガッカリ>は、シンガポールのマーライオン、コペンハーゲンの人魚姫、ブリュセルの小便小僧、また<日本三大ガッカリ>は、札幌時計台、高知はりまや橋、沖縄朱礼門、などと言われているが、<東京坂・三大ガッカリ>、にこの袖摺坂を入れようか(笑)。 現代人、とかく自分のスペースに他人が侵入することを嫌う。 満員電車のような公共の場でも、ヘッドホンから流れる音で自分を外界から遮断し、ひたすら携帯電話の画面を見入る。誰がいようと自分だけの世界に耽溺する。肩や腕、荷物が触れると、睨みや怒号が飛んでくる。 その点、道で袖が触れただけで、何かの縁を感じる、という昔の人は、何と粋で余裕のある人達だったのだろうか、と感心する。 しかし、この袖摺坂での人々の往来を暫く見ていたのだが、他生の縁、とまでは言わぬが、結構人情の行き交う場面を何度も見くわした。 重い旅行カバンを引きづりながら苦労して坂を登る女性のあと、早足で坂を登り始めた親子連れ三人は女性がとろとろと登るのをもどかしいとも思わず、何かゆっくりと文句も言わずに後ろについていた。思いやり、というか、譲るこころの美徳、人間の良さ、をほのぼのと感じさせるシーンであった。 これには、驚いた。(悪いことしちゃったなァ...。恐縮、ってヤツだ。) 私を含めて、最近の街歩きブームで路地の中にも地元住民の迷惑顧みずにどんどん勝手に入ってくる輩が多くなっておる。地元民の堪忍袋の緒ももしかして切れているのではないか。 そんなときに、こちらの心情推し量り、サッと画面から消えてくれたご老人、地元の方に違いないが、これも何とも粋な方だ。 撮影し終わったあと、少し坂の下で待っていたら、そのご老人、もう頃合いかと姿を現し、坂を下り始めた。 こちらも帽子をとって頭を下げたところ、ご老人も、「ヨッ!」という感じで、片手を挙げて応えてくれた。我ながら、悪くない空気が流れたな、と思った。 うーん、袖は摺り合わなかったが、やはり此処は「袖摺坂」なのだ。 古人が見た伝統は、まだまだ生きているのである。 僅か10何メートルほどの短い坂に人情の機微が見え隠れする。
by ptaro2009q
| 2007-06-10 23:15
| Tokyo Walking
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