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帰宅は午後9時頃。
嫁さんより、我輩宛に「小包が届いている」、とのこと。何だろう? 月曜日にインターネットでDELLのデスクトップPC購入の申し込みをしていたが、受注後の生産となるので、到着まで2週間ほど掛かる、と申し込み後に連絡があってガッカリしていた。今週末までには入手して楽しもうと思っての注文だったのだが、それが早まったのか。いや、しかしそれは早過ぎる、有り得ない、と小包を見ると、やはり箱はかなり小さめ。「部品だけ来たか?」 嫁いわく、「アメリカから届いたもののようだよ」 ピンと来た!このサイトでも過去2度ほど紹介をした、尊敬すべき、博士のようなアメリカ人、A氏からの贈り物であった。このA氏、我輩を日本に来て採用してくれた元・米国本社の重役である。今は会社を辞め、しばらくは数年来の「超・仕事漬け」だった生活から自らを癒すため、ゆっくりと奥様と二人の生活を楽しんでいる、とのメールをもらっていた。そのメールの最後に我輩のためにsmall giftを買ってあるので、住所を教えてくれ、というのがあったのだった。 箱の宛先ラベルの送付商品欄のところには、Hat と手書きで記入されている。 「帽子か? !」 どんなものだろうか。英国紳士がかぶるような上品な帽子なのだろうか?一寸趣味が違うなあ、なんぞと思いながら箱を開けると、その中味はすぐに分かった。 赤い野球帽である。(‘hat’じゃなくて ‘cap’じゃないか!アメリカ人でもこうやって書くのかな?) Wの筆記体のロゴ、それは彼が住むWashington D.C.に今年出来た新球団 Washington Nationalsの帽子である。 思わず、ニヤリとして、その後、自分に浮かんだその自然な微笑がいつまでも消えないことをずっと自覚していた。 実は、2年半前、この彼よりインタヴューを受けて今の会社に就職が決まり、すぐにWashington近郊の本社に来い、ということで米国に飛んだわけである。 最初の日にこのA氏が会社の概要や商品の仕組みなどを講義してくれたのだが、昼食も一緒に車でフレンチレストランに連れて行って貰った。そこで何を話したかは忘れたが、偶々趣味の話になって、我輩は野球帽を集めていることを話した。「大変に子供っぽい趣味 (childish hobby) であるけれども」、と付け加えて。 A氏は、「いや、人間にはひとつやふたつの子供っぽい趣味は必要だよ。」と言ってくれたが、彼の柔軟さや重役には思えぬ繊細さを垣間見たものだった。会社を辞めた今でも、彼もこの会話を覚えていてくれたのだろうと思うと、微笑ましさも一段と増す。帽子の贈り物に込めた彼の思いは、今後も彼との海を越えた友情が続いて行くことを保証してくれたようにも思える。(大袈裟?) 現在300個ほどの野球帽を自宅3階の屋根裏部屋に置いてあるが、このNationalsの赤いキャップは忘れられない大切な帽子になった。 http://tabun_dabun.typepad.jp/photos/mlb_caps/
by ptaro2009q
| 2005-08-04 23:21
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